東京鋼鉄の統合提案否決
東京鋼鉄の臨時株主総会(2/22)で、大阪製鉄の完全子会社になる会社提案が否決。子会社の株式公開に伴う問題。今回の最大の争点は株式交換比率。今後どの程度、一般株主の利益にも配慮がなされるようになるのか。しばらくは投資ファンドが、このような担い手となっていくのか。
日経新聞2007.02.23 東京鋼鉄の統合提案否決
「■個人、実質半数「ノー」
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独立系投資ファンドのいちごアセットマネジメントが勝利したのは、実質的に半数の個人株主がファンド支持に回ったためだ。一般株主を軽視した旧来型M&A(企業の合併・買収)に見直しを迫る一石となりそうだ。
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『統合は賛成だが、株式交換比率は妥当とは思えない』。いちごアセットマネジメント社長のスコット・キャロンは臨時株主総会での質疑の冒頭、疑問を投げかけた。
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議決の結果は出席議決権総数に対して反対が四割を超え、個人株主だけで見ると実質的に半数が反対に回った。ある個人株主は『なぜ個人株主がいじめられないといけないのか。否決されてよかった』と話した。
・・・」「■一般株主軽視に修正迫る
いちごアセットマネジメントは完全子会社化に伴う株式交換比率の見直しを東京鋼鉄に迫ってきた。親会社や取引先、取引銀行など利害関係者の利益に着目した結果、一般株主の利益が軽視されたとみたためだ。関係者の利益を優先しがちな従来型のM&Aに修正を迫る形になった。
最大の争点となった今回の株式交換比率は、東京鋼鉄株一株に対して大阪製鉄〇・二二八株。東京鋼鉄の株主が受け取ることができる株価に対するプレミアム(上乗せ幅)はほぼゼロだった。・・・
いちごアセットは両社の統合効果などを勘案すれば、大阪製鉄側は株価に対し最低でも三割のプレミアムを東京鋼鉄の株主に支払うべきだと主張。
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東京鋼鉄のアドバイザーとして交換比率算定を助言した三菱UFJ証券は、大阪製鉄の主力銀行である三菱東京UFJ銀行と同じグループ。いちごアセットは『中立の立場で助言できないのでは』とも指摘してきた。
・・・」「■識者の見方
経営者と株主の力関係に変化も大杉謙一・中央大学法科大学院教授 ・・・
今回は投資ファンドのようにまとめ役に呼応することで、一般株主もまとまって意思表示することを示した。経営者と株主のパワーバランスが少し変わってきた印象だ。しかし、株主が強気になりすぎると再編など企業価値の創造がうまくできなくなる恐れがある。」 「いちごアセットマネジメント
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日本株専用の投資ファンド。
・・・割安な中小型株を中心に長期投資するのが特徴。」
日経新聞2007.02.23 社説 友好的買収を否決した株主総会の意味
「・・・
株式交換比率は株価推移や将来の収益予想などを考慮し、両社の取締役会が協議して決めた。交換比率は計算方式や重視する指標によって変わるため、誰が見ても公正といえる数値を導き出すのは難しい。
ただ今回は、いちごアセットが「大阪製鉄が経営権を得るのだから、東京鋼鉄の株主には上乗せ幅(プレミアム)が必要」などと主張を展開したのに比べ、東京鋼鉄側の説明は十分とは言い難かった。また交換比率の発表と同時に業績予想を上方修正し、株主を戸惑わせた。東京鋼鉄の取締役は、大阪製鉄との協議で自社の株主利益を十分に主張したか、決定後の説明が適切だったか、検証すべきだろう。
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経営者は株主に対し、選挙の立候補者が有権者に政策を訴えるような真剣さが求められる。グループ企業同士のM&Aや経営陣による企業買収(MBO)も同様で、株価にかかわる決定などでは株主の立場に配慮した判断と説明が欠かせない。」
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